そして、私は嫌なものを見た。
少年の背中につけられた、一生かかっても消えない傷跡。
それは火傷もあり、切り傷もあり、打撲もあった。
なんとも悲惨な時代だった。
そんな時代の中、和国が鎖国というものを行った。
それは外部の人間を寄せ付けなくするものだった。
これで私たちは和国へ行けなくなった。
それから和国はどんどん自分の国を造り上げていった。
風国も負けじと美しい国を造り上げていた。
風を独自に使いこなし、風車を作った。
それにより風国は豊かな国となった。
それに比べ、蒼国と安国はいっこうに変わらなかった。
奴隷制度はますます激しくなり疲労とストレスにより死んでしまう子たちが増えた。
そしてある日、四神が封印されていた翡翠が砕け散ってしまったという噂を聞いた。
私は耳を疑った。
四神がもし死んでしまったらこの世界の四方の神はどうなるのか。私はとても落ち込んでしまった―――――

