太陽の竜と闇の青年

[四神の生死]
―――――朱雀・玄武・白虎・青竜これらは、四方をつかさどる四神と言われている。

その姿は偉大だ。

私はこの四神を見たことがある。

朱雀は美しい女性で、手つきが器用だ。

玄武は気の強い男で、とてもたくましい。

白虎は無口の男性で、四神の中では最年少だ。

青竜はきれいな男性で、頭がよく働く。

この四人は人として生きていた時もあり、それぞれの生き物として生きていた時もあった。

しかし、ある時四人は離ればなれになってしまった。

それが”四大陸分離”。

隕石の墜落により、世界は四つの国に別れてしまった。

朱雀は蒼国へ。

白虎は安国へ。

玄武は和国へ。

青竜は風国へと散った。

四神はそれぞれその国で必死に暮らしていた。

しかし、四神は自分たちを狙う人間に怒りを抱き、人間を殺してしまう。

それにより、ナエリアが四神を封印した。

人間は四神によりほとんどが滅亡してしまったが、どんどん数を増やし、新たに4つの世界を作り上げた。

だが、4つの国は同じ世界を作らなかった。

最後の最後まで四神は人間たちに恐怖を与えたのだ。

一番いい国として残ったのは風国だった。

私は案の定、風国の住人だ。

風国は自分たちの力で国を作っていくことを決めた。

だから、皆が力をあわせ、争うことは一度もなかった。

二番目にいい国だったのは和国だった。

着物という独特な服を作り、家は木造住宅で障子・畳といった独特な作りをしていた。

しかし、騒動などで小さな争いは多かった。

安国と蒼国はいい国とはお世辞でも言えなかった。

上下関係が激しく、奴隷制度もあった。死刑をする事も多かった。

最も私がこの目で見て最低だったのは奴隷制度だ。

小さな少女・少年をかき集め、痛めつけ、恐怖に脅かして長時間働かせる。

失敗するとまた痛めつける。

少女・少年は痛めつけられるのに怯え言うことを聞いていた。

その姿はあまりにも可哀想で仕方がなかった。