太陽の竜と闇の青年

「弱い者はいらねェよ。てめェの相手はオレがしてやる。次はてめぇの魂が砕ける番だ」


私は女性の血をみつめながらつぶやいた。


「……魂を……砕く?」


「オイオイ。ここじゃ魂を生かすのも殺すのもオレら超鬼様次第。モチ、魂を砕くっつーのは魂がまるごと消えてなくなる事よ。そぅ、コイツみてぇにな。ダーーッハッハッハッハ!!」


私は超鬼を見上げた。


あぁ…………。


イライラする。


ビュンッ!と風の通る音がしてドスン、と超鬼の腕が落ちる音がした。


「……で?どうすれば元通りになるんだ?この人の魂は」


私が見据えていうと、超鬼の額に青筋が浮かんだ。


「ウ、痛ってぇじゃねェかよ!!コノヤロウ!!!」


私を殴ってくる腕をフィンドが切り落とそうとした。


「アァァァァァ!!!あだぁぁぁぁ!!」


「どうすれば元通りになるの?」


「わわわわかった!!わかったから切ろうとするのはやめてくれ!!」


私は目をすがめた。


それと同時にフィンドが鎌を振り落とした。


超鬼の腕はあっさりと切り落とされた。


「~~~~~~ッ!!んなもん嘘に決まってんだろ!!地獄で死んだらこっから先あの世なんてねぇんだよ!!!」


ザシュッ!!!!


「だろうな」


ドサドサといろいろな形の超鬼の体の一部が降ってくる。


「……竜の民……!」


ドスッ!


私の腹に何かが刺さった鋭い痛みを感じた。


「……おい」


「ヒヒヒヒヒ!ヒドイ亡者もいたもんだねぇ。ここの超鬼様たちにたてつくとはよぉ」


「全くこれを許しちゃオレら超鬼様もおしまいよぉ」


「おい、貴様……」


「うん」


私は腹に刺さった弓矢を引き抜いた。


「これぐらいじゃ私は死なないよ」


フィンドがうなずいたのをみて、私はニヤリと笑った。


あぁ、楽しい。


この興奮、最高に楽しい。


「いくぞ。フィンド!!」


フィンドもニヤリと笑った。


「あぁ。いわれなくても殺るつもりではいたんだが」


竜の民を殺した罪、深く味あわせてやるよ。