太陽の竜と闇の青年

「ところで、僕たちはその娘を探しに来たんだ」


フウが率先して鬼に言うと、鬼は首を横に振った。


「ここでは修行以外の奴は入れることはできぬ。いくら娘が心配だからとて入ることは許すまい。それに娘なら大丈夫であろう。マーダーフィーンドを魔物としたのだからな」


マーダーフィーンド?


魔物?


「どういう意味だ?」


俺が目をすがめて鬼をみると、鬼は俺を見て首を竦めた。


「そんなに睨まないでくれ。体はでかいが心は小さいんじゃ」


俺はため息をついて、鬼にもう一度聞いた。


「早くいえ。その魔物って何なんだ?」


鬼は俺をジッと見つめた。


「これから修行をするためには、戦いにつれていく魔物を選ばなければいけないのだ。だが、選ばなくてもいい。一人で戦うことができるのならばだがの。だけどそんな自信は捨てたほうがよいぞ。絶対に死んでしまう。ちなみに、魔物というのはこの地獄で強いとされているものの亡者だ。お前たちだって持っているじゃないか。そいつが魔物なんだろう?」


俺たちは、はぁ?という顔をして後ろを振り返った。


そこには朱雀と玄武、白虎がいた。


何でここにいるんだ?と問いかけようとしたけど、そうだった……。


俺が翡翠を持ってきてしまっていたんだ。


「あ、あぁ。そうなんだ。コイツらが僕たちの魔物なんだよ。だから、修行を受けさせてくれ」


フウが話を作り上げた。


俺たちはフウがどうしたいのかすぐに理解して、話を合わせた。


「そうか。ならば、こちらに来るといい」


鬼は扉を開け、俺たちを中に入れると、先先奥に進んでいった。


「あのさ、この地獄ってどういうところなの?」


フウが鬼に話しかけた。


「こっからの世界はまともではないのじゃ。ヤワな魂ではあっという間に壊れてしまうぞ。ぶっちゃけると、この世界は鬼のわしでもどうにかなりそうだ。そして、わしの役目はお前等みたいに修行に送られてくる奴の世話をすることだ。いわば、地獄番だな」