太陽の竜と闇の青年

私の腕の中にあった灰色の物体が腕からすり抜け炎をあげた。


「えっ何!?」


私が驚いていると、その炎は光となり赤毛の角の生えた少し背の高い男がでてきた。


「うわぁお!!」


男はいきなり私の首をつかんで持ち上げた。


あぁ、苦しい。


「鬼の名前はマーダーフィーンド。殺人鬼という意味だ。貴様はなんだ?」


「私の名前はウィン=ルウ。これでも一国の王女なんだけど」


私がそういうと、マーダーフィーンドはフッと笑った。


「生意気な娘だ。それともなんだ?殺して欲しいのか?貴様、運が悪かったな。鬼をつかむなんて」


「ちょっとこの手離してよ。こっちには目が視えなくて耳が聞こえないんだから」


マーダーフィーンドの力が少し弱まった。


「貴様、目が視えなくて耳が聞こえていないのか?」


私はニヤァっと笑ってうなずいた。


「ビックリした?だってそんな感じ無いもんね」


マーダーフィーンドは私の首から手を離すと、ニヤリと笑った。


「貴様のその生意気な態度、気に入った。鬼を貴様の魔物にしてやろう」


上から目線かよっ!


そう突っ込みたかったけど、マーダーフィーンドが私の魔物になってくれないと先に進むことができない……。


「そりゃどうも。じゃ、進みますか!」


私がビシッと扉に指をさしたとき、マーダーフィーンドが私の腕をガシッとつかんだ。


「?」


私が首を傾げてマーダーフィーンドをみると、マーダーフィーンドは自分の片目を隠した。


「さっさと言っておいたほうがいいと思うが鬼も両目が視えないし、耳も聞こえない。目は昔ある男につぶされ、耳は自分の手で聞こえなくした。つまり、鬼と貴様は似た者同士ってことだな」


私は驚いてマーダーフィーンドをみた。


「嘘でしょ!?」


マーダーフィーンドはポリポリと頬をかいて眉をひそめた。


「貴様に嘘を言ってどうする。何の得にもならんぞ」


うあー……。


「戦力になんのー?」


私が疑わしげに聞くとマーダーフィーンドはニヤリと怪しげに笑った。


「さっきもみただろう?鬼たちの怖がりよう。それほど鬼は強いし、誰にも従わなかった。だが、鬼は貴様を気に入ったからな。うれしく思った方がいいぞ」


なんっつーか、これはこれで自信持ちすぎなんじゃないのかな……。


そう思いつつ私は扉をノックした。


ギィィィと音を立てて扉があき、鬼がでてきた。