太陽の竜と闇の青年

「そっか!これを、父上に渡したら、一度は私の言うことも聞いてくれるかもしれないね!」


すると、ラカが残念そうに首をふった。


「四神は一度職人以外の手に渡ってしまうと、その人を主人だと思ってしまうんです。ですから、姫様からは朱雀は離れないでしょう」


私は朱色の翡翠を手でスゥーっと撫でた。


ヒンヤリとしていて気持ちがいい。


「もしさ、私が寝ているときとかに盗られちゃったりしたらどうしよう……」


ふと、そんな不安がよぎってしまった。


「うぅーん……。ラカ、何か方法ない?」


フウがラカに助けを求めるように言った。


するとサクラが思い出したように言った。


「市場に翡翠箱が売っていましたよ。見た目は簪入れに似ているので、盗まれる心配はないでしょう」


その提案を聞いて、私たちは市場に向かった。


まだ翡翠のことについて聞きたいことがあったけど、今度自分で図書館にでも行って調べてみようと思った。


一応、朱雀の主人だし。