太陽の竜と闇の青年

[壱]


塔からでたとき、突然塔がガラガラと崩れだした。


「やはりな……」


集落の人たちをクラウドたちに任せておいてよかった。


今から逃げ出したとしても絶対に間に合わなかっただろう。


「早く逃げるぞ!!」


俺がルウとシルバに叫ぶとシルバはうなずいた。


だけどルウは塔を見つめたままだった。


何をしているんだ……?


いつものルウならすぐに逃げるはずだ。


だけど逃げない。


やっぱり様子がおかしい。


「ルウ!逃げるんだ!!」


ルウの顔をみてそう言うと、ルウは何かに気づいたかのようにうなずいて速い足でクラウドたちがまっている洞窟まで走っていった。


洞窟までたどり着くと、塔がガラガラと音をたてて崩れていった。


「あの塔は崩れてしまったほうがよかったのかもしれないな」


「えぇ。ヘルが住んでいる場所だもの」


「新しい塔を作るか?」


「でも誰を住ませるの?あそこの塔に住むことができるのは攻撃のまじないも回復のまじないも使える者だけだよ」


集落の人々が勝手に話をしている中でクラウドが手をあげた。


皆の視線がクラウドに集中する。


クラウドは意を決してルウに視線を送った。


「僕が塔に住もうと思う」


皆が驚く中でルウだけがやんわりと笑った。


「そう。クラウドが決めたことだから私は口出ししない。けど、理由だけは教えてくれないかな?」


クラウドはこくん、とうなずいた。


「僕、ここに来て思ったんだ。僕のまじないを必要としてくれるのはココだけなんじゃないかな?って。それに砂漠の民は女性が多いでしょ?だから男子の僕なら助けれるんじゃないかなって思うんだ。僕はまだ弱いかもしれないけど、白虎から剣術も武術も教わったし、昔よりも背は伸びた。だから今の僕には賊だって一人で追い払うことだってできる。僕には力がある。僕は強いまじないを必要とするここで頑張りたいんだ」


しばらくの沈黙が続いた後、ルウがポンポンとフウの頭を撫でた。