太陽の竜と闇の青年

「……ルウもペダラにかけられていた……」


沈黙を破り重々しく口を開けたのはクラウドだった。


「赤色の光がルウの命か……」


俺は唇を噛みしめた。


ヘルはそこまでしてルウを生け贄にしたいのか。


「許さねぇ……」


俺は耳を疑った。


だけどこの声はフウだよな?


フウをみるとうつむいて表情が読みとれなかった。


「許さねぇ。ヘル。俺を怒らせたらどうなるか……。味あわせてやる」


フウ……?


俺がフウを凝視すると、フウは顔をあげた。


その顔は笑っていた。


楽しそうにまるで戦うことを好むかのように。


それにフウの口調がおかしい。


「僕」ではなく「俺」……?


ラカが慌ててフウを止める。


「若様!落ち着いて下さい!ペダラをかけられていたとしても、本当に赤色の光が姫様のかは分からないのですから大丈夫ですよ!!」


サクラもそれに続く。


「そうですよ!!落ち着きましょう!!」


俺が訝しげに二人をみると、俺の隣の牢のサクラが小声で教えてくれた。


「若様はかなり頭にきてしまうと、周りを気にせず誰でも殺してしまうのです。それは昔の頃からそうでした。姫様を殴った大人の男の人を殺しかけたことがあるんです。若様も姫様も敵だとしても人をそう簡単に殺めないのです。ですが、怒りに狂った若様は簡単に人を殺めるのです」



だからか……。


少しだけ毛が逆立っているのは……。


きっとフウの殺気だろう。


「フウ。落ち着け。でないとできることもできなくなるぞ」


俺が自分の殺気を使ってフウにいうと、サクラとクラウドが身を竦めた。


フウは渋面を浮かべたが、口調が直った。


「分かったよ……。どうせここには殺せるヤツなんて二人しかいないしね」


……なんか違う気がするが……。


まぁいい。


「とにかくここから出ることを考えよう」


俺が牢を蹴っても殴っても牢はピクリとも動かない。


「この牢はきっと爆弾を仕掛けて爆発させたとしても開きませんね」


「どうすればいいんだろう……」


クラウドがポツリとつぶやいたときコツンコツンと階段からなにかが転げ落ちてくる音がした。


「…………?」


俺たちが首を傾げたとき、階段から丸い球のようなものが落ちてきた。


「もしかして……」


フウがつぶやいたと同時に丸い球が光った。


「あんたたちは1つの国に行くたびに何か起こすな」