太陽の竜と闇の青年

「なっ!!!」


ウィン以外の皆が驚いた声をだした。


だけどウィンは眉をしかめている。


……もしかして、コイツ……。


目が見えていないのか……?


自分が危険な目にあっているっていうことにも関わらず、自分はなぜかウィンが気になった。


「シルバさんを連れ去らないでくれ!!!!」


フリスがそう叫んだとき、ウィンはようやく何が起こったのか理解したかのように動いた。


「ヘル!!私が行く!!!だからシルバを離せ!」


ウィンがそう叫んだ。


だけど、自分はウィンを突き飛ばした。


「ふざけるな!!自分が何のためにヘルのところに行くと思っているんだ!!自分はもう誰も失いたくないから、だから自分がヘルの元へ行くんだ!!その思いを無駄にするな!!貴様らは自分の進む道に進め!!貴様らがいるべき場所はここではない!!!」


自分でも驚くほどよくしゃべった。


久しぶりにたくさん喋ったから、口が疲れてしまった。


ウィンの目が自分を見据える。


見えていないはずなのにしっかりと自分をとらえる。


だけどだんだんと赤い光が俺を包む。


「ダメだ!!シルバ!!!」


「シルバさん!行かないで!!」


ウィンとフリスの声がした。


それだけではない。


「シルバ!!」


ティファナの声もした。


そして、


「くそっ!」


ウィン弟と空風が自分を引きずりだそうと手を伸ばすのもみえた。


だけど……。


”もう遅い!!!!”


ヘルがうれしそうに高笑いした。


その瞬間、自分の意識は遠のいていった。


あぁ……。


自分はきっとヘルにお仕置きを受けるだろう。


だけど……。


自分はアイツらを守れた。


それだけで十分だ。


だが、自分はこのときヘルを甘く見すぎていた。


いや、信じすぎてしまっていた。