太陽の竜と闇の青年

「ペダラって何?」


女が聞いた。


「ペダラっていうのは、まじないをかける相手に自分の命を授けてしまうまじないだよ。だから、この場合、シルバさんの命はヘルの手元にある。例えばヘルがシルバさんの命を握りつぶしたとする。そうすると、シルバさんの心臓は握りつぶされたように痛むんだ」


自分はのっかっている男の顔をみた。


こいつ、何でこんなにもまじないのことに詳しいんだ?


自分の思いに気づいたのか、男は微笑を浮かべた。


「僕はフリス=クラウド。小さいときからずっと魔術に興味があったんだ。そしたらいつの間にかすごく魔術に詳しくなっちゃってさ。その上、魔術を使えるようになったんだよ。まだまだ力は弱いけどね」


自分が目を眇めてフリスをみると、女が笑って自分に顔を近づけてきた。


こんなスキンシップは初めてだった。


「私はウィン=ルウ。実をいうと風国の第一王女なんだよ」


……!?


「あはは。驚いた?そうは見えないかもしれないけど、正真正銘王女だからね」


ウィンは能天気に話しかけてきた。


先ほどまで何もなかったかのように。


「ったく。仕方ないなぁ。僕はウィン=フウ。風国の第一王子でルウの監視役みたいなもの?あははー」


ウィン弟は先ほどまでの殺気を消し去り、楽しそうに笑いながら自分に話しかけてきた。


やはり……。


自分とは違う場所にいる。


自分はそのことに少しだけショックを受けた。


その時、低い声がした。


顔をあげると赤目の整った顔をした男がいた。


背がでかい……。


「俺は空風壱。和国の第一王子兼暗殺者だ」


どこか自分と似た雰囲気を纏うもの。


一瞬でわかった。


コイツは危険すぎる。


自分は空風を睨んだ。


「まぁまぁ、二人ともそんなに殺気ムンムンにしないでよー」


ウィンが自分と空風の間に割り込んだ。