太陽の竜と闇の青年

[壱]


「「ルウ!!!!」」


俺たちの声が重なった。


俺たちの目にうつったのはルウが崩れ落ちる瞬間とヘルとシルバが向かい合っているところだった。


あれがシルバ……。


確かにきれいな顔をしていた。


質素な服を着ているから、腕につけている金の腕輪が目立った。


ドサッと音がした。


ルウが地面に落ちた音かと思ったがシルバがルウを受け止めた音だった。


「クラウド、ルウを頼む」


「うん。任せて!」


「サクラさんも行って下さい」


「はい。わかりました」


クラウドとサクラをルウの元へやって俺たちはヘルに武器を向けた。


「無駄な抵抗を……」


ヘルは深くため息をつくと、シルバに向かって言った。


「シルバは使える人形だと思っていたのだが……。残念じゃのぅ。ひょっひょっひょっひょ。ここでこやつらと共に死ぬ方を決めたか」


ヘルが手をあげ、言葉を発した。


「アヴィ「バルバインズ!!!!」


だけどその声はクラウドによってかき消され、俺たちは空気の大きな渦に巻き込まれて目を開けた時には塔からでていた。


「クラウド!何をする!!」


フウに怒鳴られたクラウドはいつもの表情ではなく、キッと睨むように俺たちをみた。


「ルウの命が危ない。これ以上血を流したら死んでしまうかもしれない。現に少しずつだけど脈回数が減ってきている。早く治療しないといけない。それにヘルが唱える呪文はアヴィレンスだったと思う。あれは皆殺しの恐怖の魔術だ。成功確率56%だけど、絶対にヘルは成功していたはずだ。あそこで死ぬよりかはこっちにでてきたほうがよかったと思うけど?」


弱々しい声からしっかりとした強い意志を持っているクラウドの声にフウはたじろいだ。


それをみたクラウドはティファナの家を指さした。


「今僕たちが戻るべき場所は、ティファナさんの家だと思う。シルバさんだって連れ戻してきたし」


クラウドがチラッとシルバをみると、シルバは空を仰いでいた。


俺はルウを担いでクラウドをみた。


「とにかく、ティファナの家に戻ればいいんだな?」


クラウドは少し驚いた顔をしていたが、すぐに笑顔になりうなずいた。


俺たちがティファナの家に着くと、ティファナは快く俺たちを中に入れてくれた。


しかも、ティファナの覚えている回復のまじないをルウにかけ、わき腹と肩の傷を浅い傷にかえた。