太陽の竜と闇の青年

俺とジンは唖然としていた。


この二人、ただ者じゃないぞ……。


ルウの双子の弟のフウはかなり優秀そうで、腕もある。


初め見たときはルウかと間違えるくらいそっくりだったがな。


フウが言うには、ルウは勘が鋭いらしく、勘だけで動くタイプらしい。


だが、足も女とは思えない早さだし、軽業も完璧だ。


何よりも、俺が不審に思っているのは二人はいっつも笑っている。


いや、いいことと言えばいいことなんだが……。


普通、拉致されるとわかりながら敵に向かえ撃つというときはもっと真剣な表情になるはずだ。


ジンも同じことを思ったのか、フウに訪ねていた。


「なぜお二人はこんな状況でも笑っているんですか？」


すると、二人はニッコリと笑った。


「「だって、楽しいじゃん」」



「ですが、滅多にいませんよね？戦場に向かう時に笑っている人たちって」


すると、二人は顔を見合わせた。


「フウ、そうなの？」


「うん。まぁ、僕たちはちょっとおかしいんじゃないかなー？」


そして、また笑う。


こいつら何でこんなに楽しそうなんだ？


「戦うことがお好きなんですか？」


ジンがフウに聞いた。


フウはニヤリと笑った。


「まぁね。昔からいろいろと戦って逃げてたからねー」


その時、一瞬だけルウの目が細くなったのが分かった。