太陽の竜と闇の青年

[壱]


「さて、ルウお嬢様が逃げたところで、あんたと話したいことがあるんだよ」


さきほどの態度はどこへいったのやら、シャンリンはルウが消えたと同時に態度が豹変した。


クラウドがガクガクとおびえている。


「別に俺は構わないが、クラウドに聞かれては困ることだろう。クラウドを馬車の中にいれてやってくれ」


シャンリンはすぐにうなずいて、クラウドを馬車の中にいれてくれた。


俺は陽から降りて、丸太に座ったシャンリンの前にドカッと座った。


「で?話って何だ?」


俺がたずねると、シャンリンが真剣な面もちになった。


「あんたからは血の臭いがする。あんた、暗殺者として働いていたっていうことは、かなりの人を殺してきたね」


俺は平然とうなずいた。


「それが仕事だったからな」


シャンリンがビシッと俺の頬に扇子を当てようとしてきた。


俺はそれをギリギリで交わす。


「生意気な坊主だね。まぁ、それはいいさ。あんた、もうルウお嬢様に近づくんじゃないよ」


何だと……?


俺は眉をひそめた。


確かにたくさんの人を殺めてきた。


だが、ルウの側を離れるつもりはない。


絶対にない。


「どういう意味だ?」


俺がそうたずねると、シャンリンは勝ち誇ったような顔になった。


「あんた、ルウお嬢様を大切にしているね。だけどね、それはあたいも同じなんだよ。いいかい?ルウお嬢様に闇の世界を見せないでくれ。確かに、ルウお嬢様だってたくさんの人を殺めてきただろう。だけどね、あんたとルウお嬢様には決定的な違いがあるんだよ。それは、あんたは分かっているのかい?」


俺と、ルウとの決定的な違い……?


俺が顎に手をやった瞬間、シャンリンが俺の眉間ギリギリに扇子をやった。


あと数ミリでもずれていたら、俺は死んでいたかもしれない。


「それはね、人の殺め方。いや、殺める理由だよ。あたいはルウお嬢様には[自分を守るためとあれば、人は殺めてもいい]って教えている。ルウお嬢様はそれをきちんと守っている。怪我を負わせることはあっても、絶対に人は殺さない。それがルウお嬢様の決めていることだ。だけど、あんたはただの[仕事(ビジネス)]で殺めている。いつか、あんた、罰が当たるよ」


シャンリンがいうことは確かだ。


だが、俺はルウから離れない。


俺はシャンリンを睨むようにみた。