太陽の竜と闇の青年

「いったぁい!!」


「いってぇな!!」


「うっわ!何!?」


「あわわわわ!!」


それぞれがいろんな叫び声を上げた。


「あー!!ルウさんじゃないですか!!」


僕の下敷きになっていた人が僕を指さして言った。


僕はニッコリと笑いながら、


「ぜんぜん違います」


と言った。


そして隣にいる黒髪の男の上にのっかっているルウを指す。


「あっちがルウです」


僕の下敷きになっていた人は、僕とルウを何回もみながら唖然とした。


「……ほぇ!?」


やっぱり初めて僕とルウ、同時に出会った人は、こうやってなるんだよねぇ……。


僕は目を点にしている人から退いて、ルウをガシッと掴んで立ち上がらせた。


「ほら、ずっとそうしてると下の人が困っちゃうじゃん。ルウは行動が遅いんだからー」


するとルウは珍しく笑顔じゃなくて、驚いた顔をして言った。


「だ、だってこの人、今日商店街で出会った人だよ」


僕はルウの下敷きになっていた人を見下ろした。


鋭い目で男はこちらを見る。


「ふぅーん。そうなんだ」


僕はルウをその人の上から除けて男の人に手をさしのべた。


「すみません。ルウが今日は何回もお世話になっちゃいましてー」


すると、男の人は僕の手をとりながら言った。


「いや、別に大丈夫だ。ところで、お前は何だ?」


ルウと僕をチラチラと見る。


「僕はルウの双子の弟、フウと申します」


笑顔で答えながらも男の服装や顔をよく観察する。


僕の目に止まったのは男がつけている印籠のようなものだった。


……なるほど。


これは、運命ってヤツなのか、それとも、偶然なのか。