太陽の竜と闇の青年

俺とフウは何の予定もなしに、シャナのほうへと飛んでその首に剣をピタリと当てた。


さすがに二人から剣を向けられると、シャナも真っ青になった。


「おい、調子にのるなよ」


フウが小声だけれども低く唸るような声をだした。


なぜ小声なのか分からなかったが、すぐに理解できた。


ルウにはフウは裏の自分をみせないからだ。


「ルウを連れ去ったということは命を捨てる覚悟があった、というわけだよな」


俺もシャナを睨みつける。


シャナは真っ青になりながらも口を開いた。


「いや、命は捨てとぅない。だが、お前たちも欲しい女は何があってもとってみせよう?それと同じことである」


確かにシャナの言い分は分かる。


「ふぅん。でも僕には分からないなぁ。だって、僕は愛しい人とかいないしー。それに僕、一人で死んでいきたいタイプだからー?あはははは」


フウは笑っていっているが、フウの背後には冷たい空気が流れている。


これは俺も顔をひきつらせる。


「フウ、落ち着け」


声が少し裏返った気がしたが、今はそんなこと気にしないほうがいい。


フウはニッコリと微笑んで俺をみた。


ルウとは全然違うほほえみ。


本当に二人は双子なのか?と、聞きたいぐらいだ。


「うん。分かった。落ち着くよー」


そして、フウはシャナのほうをみた。


「僕、シャナをルウの婿にするのは絶対反対だからね。そうだなぁー、ルウの婿にするなら、壱がいいんじゃないかなー?」


……ん?


俺は耳を疑った。


「あー、フウ。もう一度いってくれないか?」


俺がフウに訪ねると、フウはニッコリと笑って俺のほうをみた。


「だから、ルウの婿は壱、君がいいなぁーって話」


シャナの顔がギクシャクと俺へと向けられる。


「フウ、冗談はよせ」


確かにフウが俺を選んでくれたのはいい。


だが、ここでそれを言うと…………。