太陽の竜と闇の青年

「よぉっし!!全部買えたぁ!」


私は背伸びをして叫んだ。


それから商店街を走って抜け、フウたちと別れたところまで行った。


そこにはサクラとフウがいた。


「おかえりー」


フウがのほほんと笑って言った。


「おかえりなさい。姫様」


サクラはお辞儀をして言った。


「うん。ただいまぁー」


私がそう言うと、フウがニヤッと笑っていった。


「ルウ、問題の渦に入ったね」


私は苦笑いしながら言った。


「何で知ってるの?」


サクラがふふふと笑っていった。


「ラカさんが報告してくれたんです。姫様が商店街の真ん中で男二人を倒されたということを」


私は笑いながらあたりを見回した。


「そういえば、ラカは?」


フウが私の頭をポンポンと叩いて言った。


「ちょっと、気になることがあってね。調べてもらっているんだ。ところで、すっごいいいところ見つけたんだ。行ってみない?」


フウがニヤッと意地悪そうに笑った。


フウがこの顔をするときは、絶対に何かある。


「いいねぇ。行ってみよっかなぁ」


昔、悪いことを考えて実行したい!って言い出すのは、必ず私だったけど、フウは主にどんなことをするのか、そんな詳しいことを考えてくれていた。


「ひ、姫様!?」


サクラが胃を押さえはじめた。


「ちょっと出かけてくるね。早めに帰るから、ラカにもよろしく言っておいて!」


私とフウは並んで走った。


「ルウ、僕よりもちょっとだけ速くなったんじゃない?」


フウが走りながら私に言ってきた。


「まぁね。頑張って走り込んでたから」


私は、フウがどこに行くのかわからないままに走る。


「で?どんなとこ?」


私が満面の笑みで聞くと、フウも満面の笑みで答えてくれた。


「高くて、景色がいいとこ」


「いいねぇ!そこ!!」


私は、フウとパンと手を合わせた。