太陽の竜と闇の青年

白虎は観客など目にくれず、まっすぐに試合上へと向かい観客席から飛び降りた。


陽たちもそれに続く。


「なっ!!なぜお前たちがここにくるのだ!!」


シャナが愕然とした態度で俺たちに叫んだ。


すると、フウがラッシュから降りて審判に早口に言った。


「僕たちも参加する。僕たちはルウに誘われてきたんだ」


審判はあっさりとうなずいた。


「では、とりあえず馬を会場から出しましょう。えっと、そちらの青年も参加でしょうか?」


審判が指さしたほうをみると、いつの間にか白虎が人間になっていた。


「いや、俺は出ない。だが、会場にはいさせてもらう」


ふと上を見上げると、朱雀がいなかった。


俺はゆっくりと後ろに下がり、白虎の隣に移動した。


「朱雀はどこにいった」


俺が小声で聞いたため、白虎も小声で返してくれた。


「玄武をここまで連れてくるそうだ」


どこにいるのかわかっているのか、と聞きたかったところだが、四神にそれを聞くのは野暮だと思った。


白虎は俺が何も聞かなくなったのを見て、会場の隅へと移動した。


「ルウ、無事でよかった」


俺がルウを見て言うと、ルウもまっすぐに俺を見てきた。


「うん。本当に安心したよ。このまま壱たちが来なかったら、私、すっごい困ってたから……」


はぁー、と深いため息をついた。


俺がもっとも気になっているのは……。


「しかし、その服装どうしたんだ?」


ルウは渋面になって自分の服を触った。


「いや、試合にでるためにはこの服を着ないといけないって言われてさ……。着てみたのはいいものの、これ踊り子じゃない?」


ルウは自分の腹を触った。


「それに、お腹でてないかなぁ?」


だが、ルウが思っている以上に腹はでていなく、逆にほっそりとしている。


「腹はでていないが、逆に細すぎるんじゃないのか?」


王族の娘ならばもっと太っていてもいいはずなのだが、ルウは細すぎる。


服からでている腕もすぐに折れてしまいそうだった。


そんな腕で双剣をもてていることがすごい。


「そうかなぁ?私は太ってると思うんだけどなぁ」


そういうと、ルウは俺に微笑んだ。


「でも、ありがとね。来てくれて。本当に助かったよ」


俺は軽くうなずいた。