太陽の竜と闇の青年

[壱]


「幡国に入ったのはいいけど、ルウはどこにいるんだ!」


フウが慌てたように叫んだ。


朱雀の落ち着いた声がした。


「白虎、あなたの鼻でなんとかならないかしら?」


白虎が朱雀を見上げた。


「我が主の匂いを嗅げ、ということでしょうか?」


朱雀はふわりとフウの馬、ラッシュの頭の上に器用に降りた。


しかも、驚いたことにラッシュは嫌がらず、そこに朱雀が降りてくるのが当たり前のような、なにくわぬ顔をしていた。


「えぇ。そういうこと。白虎は鼻がいいからルウの居場所も知ってるんじゃないかな?って思って。あ、もしかして白虎、ルウの匂い知らないかしら」


すると白虎は頭を振って鼻を空へとあげた。


「大丈夫です。俺は我が主の匂いを知っております」


それから何か手がかりを見つけたのか、突然走り出した。


俺たちは大慌てで馬を動かし、白虎の速い足についていった。