目を開けるときれいな踊り子がくるくると回っていた。
それが絵だと気づいたのは、頭がハッキリしてからだった。
「やぁ、ようやく目覚めたんだね」
隣で囁くように話しかけてきたのは、シャナだった。
「うわぁ!!」
私はガバッと起きあがって逃げるように部屋から抜け出そうとした。
しかし、部屋のドアが開かない。
「なっ、なんでぇ!?」
私がガチャガチャとドアを開けようとしたところを、シャナが邪魔をしてきた。
「まぁまぁ、落ち着くんだよ。余はルウと会えない間、ずっとずっとルウを思い続けていた。会えない間、余はとっても悲しくて悲しくてたまらぬかったぞよ……」
シャナはそういいつつ、後ろに下がった。
それと同時に何者かが私の前に現れた。
「お久しぶり。ルウ。相変わらず君は可愛いね」
にやぁっと笑ったその顔は私の大嫌いな顔だった。
「ナラクもお変わりなく。相変わらず嫌な笑い方をするね」
ファラリ=ナラク。
幡国の第二王子でシャナの双子の弟で、シャナとそっくりの顔。
この二人をみる度、イライラする。
だから私は幡国に来たくなかった……。
シャンリンやカリナはとてもいい人なのに。
なぜこの二人はまともに育ってないんだろうか……。
「まったく、妬けるじゃないか。二人とも楽しそうに話しちゃってさ」
シャナがはぁー……、とため息をついた。
「ナラク、シャンリンたちはどこにいるの?」
ナラクは首をコキコキとならした。
「母さんたち?あぁ、カリナと一緒に試合上の観覧だよ」
試合上……?
私は首を傾げた。
「ちょっと待ってよ。試合上ってどういう意味?」
ナラクがにやぁっと笑った。
「久しぶりに遊ばないかい?」
その言葉と同時に、シャナがドアを開いた。
わぁぁぁぁ!という歓声が聞こえる。
そこは、私の唯一の汚点がある場所だった。

