太陽の竜と闇の青年

~~クラウド~~


僕は焦っていた。


ルウがとても嫌そうに顔をゆがめていた。


ルウの表情のなかで最も僕を苦しめた表情だった。


だから、思わず一か八かで声をあげていた。


「白虎!!僕の声が聞こえているのなら、答えてくれ!!僕は君に助けられた。次は僕が君を助ける番だ!!だけどルウは悪者に捕まっている!!僕が君へ歌を送る!君が大好きだと思ってくれる歌を!!だから……、だから……、どうか蘇ってルウを助けてくれ!ルウは僕の命の恩人だ!!」


白虎にこの声が聞こえているかは、分からない。


だけど、僕はルウに信じるっていうことの大切さを学んだんだ。


皆を信じる。


もう、僕一人だけじゃないんだ。


「何かにいつも強がって、何かにいつも怖がってる君は鋭い眼差しで世界を見据えていた。誰かに飼われるくらいなら自分から死のうとした。人間につけられた首輪はとうの昔に外した。強さを知り弱さを知ってる君は誰よりも勇ましい。だけど君は可哀想だ。だからこそ絆を君に捧げよう」


僕は必死になって歌った。


白虎にこの声を届けるために、今までにないぐらい必死になって。


ルウに出会わなければ、壱に出会わなければ、故に出会わなければ、皆に出会われなければ、僕はずっとあの部屋で小さくうずくまっていただろう。


食事にも手をつけず、魔術だけに取り付かれて。


父様や姉様に悪口を叩かれて僕はいいように使われる。


そして、用がなくなれば捨てられていた。


だけど、ルウたちが拾ってくれた。


僕を優しく包み込むように。


僕はこんな人たちに出会えたことに嬉しく思う。


僕が歌い終えると同時にルウの胸元にあった白の球が光りだした。


僕の息づかいは荒い。


そして、その光は目を開けていられなくなるぐらいの明るさになった。


「くっ……」


僕たちは袖で光を遮った。