太陽の竜と闇の青年

「あのさぁ、フウ殿、その医者ってどんなヤツだ?」


さすがの故もフウの異変に気づいたのか、いつもの口調ではなく、少しフウを気遣うようだった。


フウは深くため息をついた。


「もしかしたら故は知っているかもしれないね。だってドクターは不老不死だからね」


不老不死……?


俺は眉をひそめた。


不老不死とは聞いたことがあるが、実際にみたことがないため、信じることができない。


だからといって、フウは嘘をつくようなヤツじゃない。


ましてや、今は真面目な話をしていた。


故が片眉をピクリとあげた。


「も、もしかして、あの……」


フウが微笑を浮かべた。


「そうだよ。あの変な調合をする……」


「「ドクター・マラン」」


二人の声が重なった。


故が蒼白になる。


「マ、マランはまだ生きているのか……」


フウはうなずく。


「うん。生きているよ。マランは一度だけ君のことを話していた記憶があるかもしれない。いじめるのが楽しい狐がいるってね。あははは。九尾って、マランにいじめられてたんだね」


故が初めて顔を歪ませた。


こんなにも故が嫌がるなんて、ドクター・マランはどんな人で、どんないじめを故にしたのだろうか?


「俺様はマランが大嫌いだ。アイツ、めちゃくちゃ性格悪いし、目つきも悪い。それに傷で呻く声を楽しんでいるんだ」


故のいうドクター・マランは最悪な印象だ。



だが、フウが首を傾げた。


「何を言っているのさ。マランはすごくいいヤツだ。僕たちのことをよくみていてくれるし、面倒見もいい。ルウを支えてもくれていた。傷で呻く声を楽しむなんて、そんなことマランがするはずがないじゃないか」


…………話が噛み合っていない。


というか、二人のもつドクター・マランの印象がまったく違うのはなぜだろうか。


「二人のドクター・マランに対する印象が真逆だと思うのは僕だけなのかな?」


クラウドがボソリと俺につぶやいた。


「いや、クラウドの言っていることは正しい。俺も話が噛み合っていないと思っている」


と、そのとき、ルウの叫び声が聞こえた。