太陽の竜と闇の青年

[壱]


フウは俺たちの顔をゆっくりとみた。


正直、俺はショックをうけていた。


俺たちがルウを壊そうとしている……。


フウからみれば、そう見えるのだろうか……。


俺たちがフウを壊してしまうのか……。


俺の背筋に汗が流れた。


フウは深く空気を吸い込んだ。


「僕は昔、ルウと仲のよかった医師の話を聞いたことがある。一度だけルウは倒れたんだ。そのとき医師は僕に言ったんだ。[ルウは「今がすべて。だから昔を知っても意味がない」っていうけど、それがルウのいう[受け入れる]ってことなら、聞こえはいいのかもしれないけど、寂しいだろ?人の想いも自分の想いも現実もこのままあの小さくて細い体にためこんでいたら、いつかあの子は、”潰れる ”ぞ]ってね。それを聞いた僕はショックを受けた。今まで双子としてルウのことは全部知っているつもりだった。だけど、ルウは本当はすごく悲しい子だったんだよ。笑って明るくやっているけど、僕はルウをみるたびに何て悲しいんだろうって想ってしまう。ルウは本当は自分のことで精一杯なのに他人のことも考える。そんなルウをみていると僕は少し納得いかなくなる。何で僕たちに相談をしようと思わないんだろうか。ってね。僕たちはルウからすれば頼りない存在なのか。僕たちは弱いかもしれない。だけど相談にのることなら簡単にできる。だから頼ってほしい。僕はそう思うんだ。だけどルウは違う。双子なのに初めて意見が分かれるところだよ。僕にはもう、ルウが分からなくなってきた」


フウはずるずるとうなだれた。


その表情は硬く、いつものフウではなかった。


フウは本気だ。


フウは本気でルウを心配している。


それは双子の弟してなのか、それとも家族だからなのか、もしかしたら、恋かもしれない。


だけど、それは俺には分からない。


ただ分かることは、フウにとってルウは誰よりも大切なんだっていうことだ。