太陽の竜と闇の青年

クラウドが大人しくなると、私と壱は目をあわせ、窓ガラスを蹴って割った。


もちろん割ったのは、私ではなく壱だけど……。


「きゃぁ!何!?」


下でエリィが驚く声がする。


私が下を覗くと、フウと目がバッチリあった。


フウはすぐに状況が理解できたのか、私に向かってうなずいてくれた。


それから、私と壱が窓から飛び降りるのと、フウがエリィを投げ飛ばすのが同時だった。


「きゃぁぁぁぁ!!」


「うわぁぁぁぁ!!」


クラウドは恐怖で身を固め、エリィはフウに飛ばされたのがショックだったのか、半泣きで飛ばされていった。


スタンッと軽い音がして私たちが着地したのをみて、ラカがパチパチと拍手してくれた。


「さすがですね。壱さんもクラウド君を担いでいるというのに、なんとも涼しい顔で」


壱はラカの言葉を無視するようにフウに言った。


「安国との貿易関係などが大変なことになるんじゃないのか?」


けれど、フウは涼しい顔で言った。


「大丈夫だよ。安国にはろくな収入ないし。安国と貿易が途絶えても僕たちには支障がでない。てか、壱たちこそ大丈夫なの?」


壱は軽くうなずいた。


「俺は和国の王子だが、牙城が本当の王だ。牙城ならどうにかやるだろう」


そこで、サクラが慌てて私のほうに近づいてきた。


「ひ、姫様!本当に誘拐していくんですか?」


私はニッコリと笑った。


「もっちろーん。じゃないと、絶対にクラウドは仲間にできないでしょ?あ、そうだ!置き手紙は何って書いてたらいいかな?カッコイイのがいいよね」


私が気楽にいうと、フウも気楽に言った。


「クラウドは僕たちが貰った。とでも書いておけば?定番でもカッコイイじゃん」


サクラは胃を押さえてズルズルと倒れた。


それを側で支えるラカ。


そこで、クラウドが手をあげた。