太陽の竜と闇の青年

「……結構高くない?」


登りはじめは大丈夫だったけど、中ぐらいまで行くと、さすがに手の平が悲鳴をあげはじめた。


「地面から高いほうが、外部からは何も見えないからな。隠したい人を隠すには、打ってつけの場所だ」


壱の声が下から聞こえた。


独り言のつもりだったのに、聞こえたんだ。


少し感心しながらも、上を登ることに集中した。


ようやく窓の下につくと、クラウドに気づかれないようにするため、そっと手だけを伸ばし、窓をグッと下げた。


ガコッという重い音がして、窓が開いた。


私はそこからするりと入り込んだ。


部屋は薄暗くて、人影は見あたらなかった。


「ルウ、のけ」


私が首を傾げて突っ立っていると、後ろから汗ひとつかいていない壱が声をかけてきた。


「あ、ごめん」


私が慌てて退くと、壱は素早く入ってきて素早く窓を閉めた。


「え、フウがまだ登ってきていないよ?」


私が慌てて壱に言うと、壱は窓の下を指さした。


「見てみろ」


窓の下を見てみると、エリィに抱きつかれているフウの姿があった。


「え、どうしたの!?」


私が驚いてたずねると、壱は無表情に答えた。

「フウが登ろうとしたとき、偶然エリィが来たんだ。バレないようにするためにフウを囮につかった」


……フウ、今回二回目のご愁傷様です。