太陽の竜と闇の青年

「昔からあんな感じだから、どこが変人なのか私にはわかんない」


故は少し納得のいかない顔をしつつも、フウと言い合いをするために、前に進んだ。


「ねぇねぇ、何だかんだ言って、故とフウって仲良しだよね」


私が壱に近づいて聞くと、壱も微笑した。


「まぁな。故もフウも遊び相手ができて嬉しいんだろ」


「まぁ……。おふざけがすぎなかったらいいんだけど」


と、私が言った瞬間、故が飛んできた。


「ルウ殿~~~~~!!」


「な、何!?」


「フウ殿が俺様を馬の足で蹴り殺そうとしたぁぁぁぁぁ」


フウをみると、ニッコリと笑って私を視ていた。


「……あの顔は、意地悪が成功したときの顔だ……」


私が顔をひきつらせていると、壱がボソリとつぶやいた。


「フウとルウは顔は似ているのに、性格は全然似てないよな……」


すると、フウがニンマリと笑った。


「ルウがそんなんだから、僕がこうなったんですよー」


私は少しムッとしたけど、言い合いをすることでもないから黙っていた。


けど……。


「なぁに言ってるんだ!ルウ殿とフウ殿だったら、断然ルウ殿のほうがいいね!!フウ殿はこえぇもん。そんなんだったら許嫁は一生でてこねぇよ」


フウが爆笑した。


「あっはっはっは!!まさか九尾は僕が結婚するとでも思ってるのー?勘弁してよー。結婚とか一生しないね」


私が口を開ける前にラカがフウの近くまで馬を小走りさせた。


「若様、なにをおっしゃっているんですか?若様はきちんとご結婚なさらないといけませんよ」


その言葉にフウは思い切り顔をしかめた。