太陽の竜と闇の青年

宿屋を引き払ってから出発すること約数時間。


朝日がサンサンとする中、私たち一行は馬に乗って山道を登っていた。


「うっわぁ~。本当にデコボコな道なんだね~」


下を見ると、石がゴロゴロと落ちていて、さすがのハヤトも歩くのが困難なようだ。


「今ここで走れって言っても絶対にラッシュたちは走らないだろうねー。あはははは」


冗談のように言ってるけど、実は冗談じゃない真面目なことを言っているフウに苦笑を返して、ラカたちを振り返った。


「ラカー。大丈夫?」


ラカはニッコリと笑って


「大丈夫ですよ。これぐらいの道、慣れていますから」


と、返してくれた。


ラカの後ろからサクラも顔をのぞかせた。


「姫様、わたくしの心配はいりませんよ。全然平気ですから」


私は微笑を浮かべて軽く手を上げた。


了解の合図。


チラッと横にいる壱を見ると、涼しげな顔で陽を操って進んでいた。


何でそんなに簡単そうにできるのかなぁー……。


とか、思いつつも、視線をフウへと走らせた。


フウはというと、楽しそうにあっちこっちに馬を寄せてあははは、と笑っている。


……子供みたい。


私がそう思ったとき、フウの横に狐になった故が出てきた。


「フウ殿。その遊び子供みたいだ」


すると、フウがあっはっは~と高笑いした。


「馬に乗ってすることって何か分かる?子供みたいに遊ぶことなんだよ」


故は顔をしかめたあと、人魂に変わって私の傍に飛んできた。


「フウ殿、少し変人だ」


私は微笑を浮かべた。