太陽の竜と闇の青年

壱から離れると、壱は微笑を浮かべた。


「まぁ、敵対されているヤツは山ほどいるがな」


いつもの壱の口調に戻ったことにホッとしながらもうなずいた。


「壱は強いからね。男の子は強い人に憧れるんだよ。きっと」


すると、壱は苦笑いを浮かべた。


「俺が言っていたのは別の意味なんだが……」


別の意味?


そんなものあるの?


私が首を傾げたとき、宿屋にサクラが入ってきた。


「姫様、壱さん。リクさんたちがお見えになられましたよ」


はーい!と、サクラに返事を返すと壱が立ち上がってポンポンと、私の頭を叩いた。


「まぁ、分からないほうがいだろう」


それからスタスタと足早に宿屋から出ていった。


「え?何?どーゆーこと??」


私は首を傾げながら壱を追いかけた。