太陽の竜と闇の青年

「その白馬、ハヤトというのか」


壱が私を助けてくれた。


「うん。風国では有名な駿馬なんだ」


壱はハヤトを見つめていた。


「立派な白毛だな」


私は少し胸を張った。


「でしょう？少し私の髪色に似てると思わない？」


壱が私のターバンから少し見えている髪を触った。


「そうだな」


それから、ハヤトの元へ行って優しく体を撫でていた。


ハヤトに何か言っていたけど、少し遠くにいたから聞こえなかった。


私がサクラと和国での話をしていると、厩からラッシュとトウマの姿がでてきた。


フウとラカはラッシュたちの上に乗っている。


「どうしてこんなに遅かったの？？」


私は二人の元へと走って行った。


フウはガリガリと後頭部を掻いて、ちょっとぶっきらぼうになった。


「何かさ、安国へ行くのが嫌になってさー。ちょっとジッとしていたんだよねー」


ラカが後ろで笑い出した。


私が首を傾げると、サクラが隣に来た。


「ラカさん、どうしたんですか？」


すると、ラカは背筋をピンッと伸ばした。


「いえ、若様は本当に安国のお姫様が嫌いだと思いまして笑っていただけですよ」


フウとラカが馬から降りて壱の元へ行くと、壱がこちらを振り返った。