太陽の竜と闇の青年

「お、いたいたー。ハヤト、きちんと言うこと聞いてた?」


馬の中でも珍しい白馬のハヤトは、目が青い。


だから馬がたくさんいる厩でもすぐに見つけることができた。


ハヤトはぶるるるる、と鼻を鳴らせて私に顔を近づけてきた。


ハヤトとは対照的にフウの馬は茶色に少し黒縁のある馬だ。


名前はラッシュ。


ラカの馬は赤茶色の馬で名前はトウマ。


「ハヤト、新しいお友達ができるかもしれないよー。名前はね、陽っていうんだ」


ハヤトを厩から出しながら私はハヤトにまたがった。


ハヤトは風国では有名な駿馬だ。


何回も私とハヤトで乗馬大会にでて優勝している。


パカパカと音を立てて、宿屋の前にでると、壱とサクラが話しているのが見えた。


私は大きく手を振った。


「おーい!!サクラー!!壱ー!!」


壱とサクラは同時に振り返った。


「姫様、いつもながらハヤトとは相性がいいんですね。立派ですよ」


サクラが微笑みながら私を見上げた。


私は微笑しながらハヤトから降りた。


と、そのとき、突然ハヤトが陽の元へと向かいだした。


「うわわわわ」


いきなり引っ張られたから、私は引きずられるようにしてハヤトの行くままにつれていかれた。


「ハヤト、どうしたの?」


ハヤトと陽は鼻を寄せあい、匂いを嗅いでいた。