太陽の竜と闇の青年

「壱、その馬どうしたの?」


壱は黒馬の頬を撫でてやった。


「先ほど買ってきた。少々荒い性格だが、足の速さは保証するらしい」


私は恐る恐る近づいて黒馬を撫でた。


「……ルウには警戒を見せないんだな」


壱が関心したようにつぶやくと、私の目を見て言った。


「先ほどコイツにさわろうとした女がいたのだが、警戒して怒ったんだ」


そうなんだー……。


私は、優しく黒馬の頭を撫でてやった。


それから笑顔で壱にほほえんだ。


「この子、名前は?」


壱は少し考え込むようにした。


「陽(はる)」


私は陽、と小さくつぶやいてから


「いい名前だね」


と、壱と陽に言った。


壱は小さく笑って陽の背中を撫でた。


「明るい性格だからな」


それから壱は私たちの顔を見た。


「おまえたちの馬はどこにいるんだ?」


私はポンッと手を叩いて、宿屋のおばちゃんに厩を開けてもらうとこにした。


「おばちゃん、厩開けてー」


おばちゃんはニッコリと笑って、すぐに厩を開けてくれた。


私とフウとラカは厩に入って、自分の馬を探した。


サクラはというと、表で壱と雑談している。


サクラの馬はいないからね。