太陽の竜と闇の青年

今度はルウは故の隣にたった。


「この子は、和国の神様で……」


故はルウの言葉を遮って一歩前に踏み出した。


「俺様はあの和国の神様、九尾だ!!九尾って呼んでくれよな!!」


そういえば、故は気に入ったヤツにしか名前を教えないんだったな。


そんな考えごとをしていると、隣にラカが寄ってきた。


「よかったですね、姫様に気に入ってもらえて」


俺は眉をよせてラカを見た。


ラカはやんわりと笑った。


俺、こういうタイプ苦手なんだよな。


「よかったのかどうかは人に指図されたくないが、俺はよかったと思う」


ラカは少しだけ眉をあげた。


「かなり冷静な方ですね。クールでカッコいいです」


俺は皮肉っぽく笑った。


「残念だが、俺はそういう言葉は女性に言って貰いたい」


すると、ラカさんは、ブッと吹き出し笑った。


「あはははは!!若様の言うとおりだ。あなたはおもしろい人だ」


俺はフウを睨んだ。


フウは俺の目から逃げるようにルウの背中の後ろに隠れた。


「それだけか?他に俺に用があるんだろう?」


俺の言葉にラカはかなり驚いた顔をした。


「なぜ、そんなことがわかるんですか?」


俺はサクラを指さした。


「好きなヤツを護衛するよりも俺のそばに来た。つまり、俺に何か重要なことを聞きたい、ということだろう」


ラカはお手上げ、とつぶやき、真顔になった。