太陽の竜と闇の青年

[壱]


初めて入る蒼国に少しだけ緊張しながらも、面は冷静な態度をとっている。


一歩入ったときの蒼国の第一印象は[派手]。


それだけだった。


「……蒼国はこんなにも派手なのか」


俺のつぶやきが聞こえたのか、ルウが振り向いて苦笑いを返してくれた。


故もここの派手さにかなり驚いている。


「何か帰ってきたー!って感じだな」


リクがジンに向かって言った。


ジンは微笑んでうなずいた。


「えぇ。和国は少し大人しい雰囲気でしたからね」


それから、蒼国の派手さについて話していると、前方に二人の男女が見えた。


「「あ!!」」


フウとルウが楽しそうに顔を緩めた。


「若様、姫様、お帰りなさい」


女性の方が微笑んで言った。


ルウはその人に向かって抱きついた。


「ただいまー!!サクラ、寂しくなかった??」


「えぇ。もちろん寂しかったです。けど、姫様が楽しい思い出話をしてくれると思ってずっと我慢して待っていたんですよ」


なんっていうか、胃痙攣持ちとは思えない雰囲気を醸し出している。


「ラカ、サクラと何か進展した?」


ルウがラカという男性をつつきながら意地悪そうに笑う。


「若様、からかうのは止めてください。と、言いますか、わたくしたちの前にそちらの方々を紹介してくれませんか?」


俺は軽い会釈を返した。


ルウが隣にピョンっと飛んできた。


「こちらは空風壱!!超強い人だし頭もいいし、完璧な人!しかも暗殺者でもあり、和国の第一王子でもあるの!!」


何か完璧な人に変わっているが訂正するのもめんどいのでスルーしておく。