太陽の竜と闇の青年

「あ!!花餅だ!!」


私はその和菓子を見て嬉しそうに声をあげた。


壱はそんな私と故を見て、皆の中心にお盆を置いた。


「和国の菓子だ。なかなか美味い。食ってみろ」


私と故はすぐに手を伸ばした。


けど、フウたちは手を伸ばさない。


「どうしたの?」


私が不思議に思ってたずねてみると、フウは花餅を疑わしげに見た。


「いや、これって本当に菓子なのかな?と思って」


すると、壱が一つの花餅を掴んで宙に放り投げパクッと口に入れた。


「和国の物は食えないと言うのか?」


壱は口の中で花餅を食べながらフウたちを睨みつけた。


フウたちは、そういうわけじゃないんだけど……と呟いてから和菓子を手にとった。


そ口に花餅を放り込んで食べたとき、顔を少し輝かせた。


「うわ、美味しいじゃーん、コレ」


「ちょっと甘すぎるがな」


フウとリクが感嘆の声を漏らす。


それをジンは微笑ましく見ていた。


すると、壱が私の脇腹をつついてきた。


「何の話をしてたんだ?」


私はさっき話していた安国までのルートの話をした。


すると、壱は無表情で即答した。