太陽の竜と闇の青年

「それから我らはジャリスの手元にずっと置かれていた。しかし、ジャリスが奴隷となったとき、我らはジャリスの手元から離れて行き、四人とも別々の人たちの手に渡った。だが、我らは割れてしまった。割れたのは我らの考えだった」


私は目を見開いて玄武をみた。


「何で?自分たちで割れる必要なんかあったの?」


玄武は深くうなずいた。


「あぁ。とてもあった。我らは良人たちの手元ではなく、悪人たちの手元にあったのだ。だから自分たちで割れて誰かがまた我たちを拾ってくれるのを求めた。そして、我たちを拾い作り直すように言ってくれのはファジだった。しかし、我らが直る前にファジは病死した。しかもジャリスは処刑されていると判った。我たちは決めたことがあった。絶対に信じれる人が現れるまでその姿を見せない、と。そして、我たちの前に現れたのがあなただった」


私はすごい話を聞いてしまって、反応に困っていた。


すると、それをみていた壱が口を開いた。


「ルウ、良かったな。外から見りゃ、ルウはすごくいいやつってことだよ」


簡単にまとめてしまうのもどうかと思ったけどここは少し明るくしないと、壱の言葉が無駄になってしまう。


私はニッコリと笑って、自慢するように言った。


「やっぱり?私、実はすっごい優しい人なんだ」


それを見ていた故が、突然腹を抱えて笑いだした。


壱も私が初めてみるような明るい顔で笑っていた。


「ちょ、ちょっと、笑うな!!」


私は少し赤くなりながら二人を叱咤した。


けど、二人は笑うのをやめない。


そして、とうとうそれを見ていた玄武も笑いだした。


最終的には、私も皆と一緒になって笑った。