太陽の竜と闇の青年

地面がボコンッと音を立ててまっぷたつに割れた。


「怪力かよ……」


壱が苦笑いしながらつぶやいていた。


「四方の神様だから仕方ないよ」


私がそれに答えると、壱は聞こえていたのか、という顔をして微笑した。


「そうだな……」


玄武の低い大きな声が聞こえた。


「安国にいる白虎よ、目覚めよ!!」


それから少しは大地が揺れていたけど、すぐに収まった。


私が地面に足をついたとき、玄武が私のところに歩んできた。


「これで安国の白虎は目覚めた。だが、白虎はとても精神的に不安定な方に預けられているぞ」


「精神的に不安定な方?」


私は玄武に二回聞いた。


けど、結果は、はい、の一言。


「少し病んでいるというか……、そんな感じの方の手元にある」


何か、嫌な感じだけど……。


でも、白虎んとこにも行かないといけないよね……。


「あ、あとさ、玄武に聞きたいことがあるんだ」


私は花畑に正座しながら玄武に聞いた。


玄武もそれに続くように正座をした。


壱は足を組んでカッコよく座っている。


故はその辺を走り回っていた。


「何だね?」


私は人差し指をたてて言った。


「聞きたいのは一つだけ。ジャリスについて」


玄武の目が細められた。