太陽の竜と闇の青年

「あの、玄武?」


私は、朱雀と楽しそうに放している玄武に呼びかけた。


「何かな?」


玄武は私のほうを笑いながら見てくれた。


「えっと、朱雀との感動の再会中に悪いんだけど、次の四神の白虎を呼んでくれる?」


すると、玄武は袖に腕を入れて、深くうなずいた。


「承知した。だが、体形を崩して倒れないようにしてもらいたい」


その言葉を聞いた私は、辺りを見回してどこか掴まる場所を探した。


けど、ここは花畑。


そんなとこはひとつもない。


どうしよ………と、焦っていると、突然体が浮かんだ。


「うひゃぁ!!」


驚いて目を瞑ると、フワッと壱の香の匂いがした。


「掴まる場所なんか探してどうするんだよ」


私が目を開けると、花畑が遠くに見えた。


っていうか、何かこの担ぎかた納得できない……。


「米俵みたいに担がないでよー!これでも乙女なんだよ」


バシバシと壱の背中を叩くと、壱は楽しそうに乾いた笑いをした。


「一番これが安定なんだよ」
嘘だ……。


絶対に嘘だぁーー!!


そのとき、地面が大きく揺れた。


「うわわわわ」


故が慌てて人魂になった。


そっか、浮いてるから揺れとか感じないんだね……。


壱はというと、体形を崩すこともなく、私を担いで突っ立っている。


…どんな足してるんだろ?