太陽の竜と闇の青年

揺れが収まって、花畑のほうを見ると、そこには男性が浮かんでいた。


男性は、紺色の浴衣をきていて、ファジが言っていた通りに、たくましく、気の強そうな感じだった。


「故、久しぶりじゃないか」


ニカッと笑った顔は、少しだけ人なつっこそうな感じがあった。


「よぉ!玄武殿!俺様がずっと玄武殿を見守っていたんだぜ。感謝してくれよな!」


故はバンバンと玄武の背中を叩いた。


その光景を見ていると、突然朱雀に背中を押されて前に進み出ていた。


「玄武。お久しぶりですね。故との再会もいいですが、まずはあたしたちのご主人にお礼を言うべきではないのですか?」


玄武は、ハッと私を見つけて、深くお辞儀をした。


「これはこれは。この度は我を蘇らせてくれて感謝する」


私はいえいえ、と首を振った。


「お礼を言うなら壱に言いなよ。玄武を見つけたのは壱だから。壱がいなかったら玄武は今頃蘇ってなかったかもしれないから」


玄武は壱のほうをじーっと見つめた。


「やはりそうであったか。壱からは我が翡翠にいたときに匂った香の匂いが感じられた」


壱が玄武のところに近寄って行った。


「もう少し若い男性を想像していたんんだけどな」


壱の顔をのぞき込むと、壱は笑っていた。


玄武はガハハハハと、笑った。


「壱は若い人が好きなのだな!!」


壱は、


「そういう訳ではないんだが・・・」


と苦笑いを返した。