太陽の竜と闇の青年

「故って、狐とかに変われるの?」


冗談半分に聞いてみると、故はニヤッと笑って言った。


「変われるよ。みる?」


くるんっと回転したと思うと、故は白の狐の姿に変わっていた。


「うわぁ。綺麗な姿だね」


私が笑いながらそう言うと、故はまたくるんっと回転した。


すると、次は人魂に変わっていた。


「うわ!2つも変われるの!?」


私が驚いて聞くと、故は人魂になったにも関わらず喋った。


「まぁ、狐って何にでも変われるからね。俺様は通常はこの人魂の姿になっているんだ。狐の姿も好きだけとあれは少し疲れるんだよなー」


やっぱり狐って化けるんだ……。


私はつくづくそう思った。


「人型の時も疲れるの?」


「いんにゃ。人型の時が俺様の本当の姿だから疲れない」


その時、壱の足がピタリと止まった。


「この先か」


くるりと振り返って故に聞いた。


故はフワフワと壱の近くに行った。


「おう。この先だ」


故はいつも入っていますというように、すんなりとその先にある光の中に入って行った。


「どうする?」


私が壱の隣に行くと、壱はまっすぐに私を見た。


「行くに決まっているだろう」


それから、私の手を握って、スタスタと光の中に入った。


入る瞬間、グニャっと気持ち悪い感覚に襲われたけど、特に害は無かった。