太陽の竜と闇の青年

「九尾。お久しぶりですね」


九尾は目が飛び出そうなほど大きく目を開かせていた。


「朱雀殿!!良かった。生きていたんだな」


朱雀はバサッと大きく羽音を立てた。


「人を勝手に殺さないでください。あたしはきちんと生きていましたよ。第一、私が死ぬはずないじゃないですか」


九尾は楽しそうにピョンッと飛び跳ねた。


「へへ。確かにね。朱雀殿も玄武殿も青竜殿も白虎殿も、不死身だもんな」


「言い方には少々不満はありますが、九尾の言う通りですよ。ところで、九尾。あたしがここにいることに不思議に思いませんでしたか?」


九尾は思い出したようにまた少し驚いた顔をした。


「そうだよ。それを聞こうと思っていたんだ。何で朱雀殿がここにいるんだ?翡翠となってるはずだ」


朱雀はブルッと体をふるわせると人になった。


いつ見ても綺麗な姿だ。


チラッと壱を見ると、動物となって外に出てきた朱雀に驚いていて、しかも人になったことにまたまた驚いていた。


私は笑いながらささやくように言った。


「綺麗な方でしょう?」


質問されたときに一瞬ビクッと体を奮わせたけど、壱は苦笑いして質問に答えてくれた。


「驚きの方が上だな」


私と壱は顔を見合わせて小さく笑った。