「ルウは奴隷として働いていた時も、竜の民として生きていた時も、ずっと笑い続けていた。僕よりもルウのほうが笑っている時間は長かったかもしれない。だから、ルウは誰にでも好かれた。奴隷として生活していてルウが12歳になったとき、ルウに初恋の相手ができたんだ。ルウの初恋の相手は、アージュ。アージュは無口であまり喋らない男だったし、無表情なんだ。だから、僕は正直アージュのことは苦手だったし、少し近寄りがたい感じがあったんだ。だけど、ルウは孤立していたアージュに話かけに行ったんだ。だから、僕もルウについて行った。アージュはすごく気前のいいヤツで、信頼できるヤツなんだ。それから、アージュとルウは互いを思いやるようになった。ルウはとても楽しそうにアージュと話すんだ。僕は少し寂しかったけど、ルウが人を好きになるっていうのはありえないことだったから、それを見守っていたんだ。だけど、ある時、アージュが死んだんだ。いや、処刑された」
壱は鼻をすすりあげた莢さんを横目でみた。
「莢が泣くなんて珍しいな」
すると、莢さんはうるうると目を潤ませて叫んだ
。
「あたい、あたい感動したよ!!いや、まだ話は終わってないけど……。でも、ルウちゃんやフウちゃんの苦しい思いが伝わって……。心臓が痛い!それに、ルウちゃんの初恋の人が処刑だなんて……。さすがのルウちゃんも落ち込んだだろうに……。あぁ……。可哀想……」
僕は苦笑して莢さんをみて続けた。
「処刑の理由は何もない」
「何もない?」
壱が不満そうな顔をして僕をみた。
僕は、こくん、とうなずいた。
「うん。何もないんだ。アージュは何もしていない。けど、処刑された。王族は八つ当たりのように次々と奴隷たちを殺していたんだ。何かムカついたことがある度にね。偶然的にその八つ当たりの奴隷にアージュが選ばれたんだ。だけど、アージュは顔色一つ変えずに、僕にこう言ったんだ。[ルウを頼む]って。だけど、僕はそんなアージュの言うことは聞きたくなかった。アージュは僕の大切な友達だったし、ルウの大切な人だったから。だけど、アージュは逝ってしまった。[逃げられない人生だってあるんだ]っていう名言を残してね。それを知ったルウはほどんと昏睡状態。何も食べずに、笑わずに、僕が話しかけても返事を返してくれることは一度もなかった。夜には騒ぎだして、パニック状態が続いていたんだ。ルウはすごくアージュが好きだったんだ。だから、ルウは自分で記憶を消したんだ。いっそのこと、いやなことを忘れるように。アージュと竜の民のことを」
壱は、目を閉じて話の続きを催促していた。
反対に、莢さんはもう聞きたくない!とばかりに耳を塞いでいる。
僕はどちらを優先しようかと考えていたけど、壱のほうをとった。
壱は鼻をすすりあげた莢さんを横目でみた。
「莢が泣くなんて珍しいな」
すると、莢さんはうるうると目を潤ませて叫んだ
。
「あたい、あたい感動したよ!!いや、まだ話は終わってないけど……。でも、ルウちゃんやフウちゃんの苦しい思いが伝わって……。心臓が痛い!それに、ルウちゃんの初恋の人が処刑だなんて……。さすがのルウちゃんも落ち込んだだろうに……。あぁ……。可哀想……」
僕は苦笑して莢さんをみて続けた。
「処刑の理由は何もない」
「何もない?」
壱が不満そうな顔をして僕をみた。
僕は、こくん、とうなずいた。
「うん。何もないんだ。アージュは何もしていない。けど、処刑された。王族は八つ当たりのように次々と奴隷たちを殺していたんだ。何かムカついたことがある度にね。偶然的にその八つ当たりの奴隷にアージュが選ばれたんだ。だけど、アージュは顔色一つ変えずに、僕にこう言ったんだ。[ルウを頼む]って。だけど、僕はそんなアージュの言うことは聞きたくなかった。アージュは僕の大切な友達だったし、ルウの大切な人だったから。だけど、アージュは逝ってしまった。[逃げられない人生だってあるんだ]っていう名言を残してね。それを知ったルウはほどんと昏睡状態。何も食べずに、笑わずに、僕が話しかけても返事を返してくれることは一度もなかった。夜には騒ぎだして、パニック状態が続いていたんだ。ルウはすごくアージュが好きだったんだ。だから、ルウは自分で記憶を消したんだ。いっそのこと、いやなことを忘れるように。アージュと竜の民のことを」
壱は、目を閉じて話の続きを催促していた。
反対に、莢さんはもう聞きたくない!とばかりに耳を塞いでいる。
僕はどちらを優先しようかと考えていたけど、壱のほうをとった。

