太陽の竜と闇の青年

「昔、そうだな……。約200年ぐらい前に[四大陸分離]が起きただろう?アレは隕石が落ちてきたんじゃなくて、本当は竜の民が起こしたことなんだ」


壱が初めて眉をひそめた。


「竜の民?」


「うん。人が竜へと変わるんだ。その特殊な民族を竜の民っていうんだよ」


「それで……それは、本当なのか?」


僕はうなずいた。


「うん。もう知っていると思うけど、竜の民は昔、莫大な力を持っていた。それをおそれた人々は、竜の民を追放したんだ。それに怒りを覚えた竜の民は人間の世界を壊そうと考えた。けど、それは失敗に終わった。竜の民は、竜の力を使い、国を壊そうとした。その竜の名前がサラリア。ナエリアの母親にあたる人だ。サラリアは竜の神。僕たちの神だ。だけど、国は四つに分かれただけだったんだ。力を使い果たした竜の民は、次々と死んでしまった。けど、唯一、生き残れた人がいた。その人の名前はジャリス。ジャリスは竜の民である象徴の白銀の髪色だったんだ。そして、今、僕とルウは竜の民の生き残りとして生き続けている。だけど、それはまるで地獄のような人生だった。会う人々に罵られ、非難の目でみられたりもしていた。だから僕たちは逃げた。100年前から今の時代に」


莢さんが驚きで息を止めたのが分かった。


壱も驚いていた。


僕は話を続けた。


「そう。僕たちの能力は、[刻破り]。時代を自由に行き帰できる。だけど、僕たちが目覚めたときにはもう、奴隷として捕まっていた。僕たちは逃げようと考えた。だけど刻破りを一度使ったら、数ヶ月待たないと、もう一度刻破りができなくなってしまうんだ。だから、僕たちはジッと待っていたんだ。だけど……。そんな時、ルウに最悪なことがおきたんだ」


ルウ、という言葉にピクリと壱が反応を示した気がするのは僕の幻覚だろうか……。