壱は僕の顔をじっと見ていた。
それから、小さく息を吐いて言った。
「なにか能力を持っているんだろう」
!?
「何でそんなことが分かるんだ?」
僕は目を見開いて壱に聞いた。
壱は長い指を二本だけ立てた。
「1つ、あの森は何か強い力を持っていないと入れないんだ。俺は玄武を見つけた張本人だから入れた。ルウも朱雀を見つけた張本人だからあの森には入れる。だが、フウ、お前は何も見つけていないだろ。なのになぜ入れたのか、という疑問に行き着くんだ。2つ、勘だ」
僕は、苦笑いになった。
「空風壱にはかなわないんだよね……。僕って」
すると、莢さんが手を挙げた。
「あたいも!!あたいも壱にはかなわない。壱は厳しいからさ」
ゴンッと鈍い音がして、莢が涙ぐみながら後頭部を押さえた。
「空気は黙っていろ」
壱が莢を睨んだ。
僕はそれを笑って見た後、真剣な顔になった。
そう。これは僕も笑っていられる話じゃないんだから。

