太陽の竜と闇の青年

「直球に聞くが、風国の王が白銀の髪だとは聞いたことがない」


あぁ…………。


そのことか……。


僕の体中が痛んだ。


「ちょっと、移動しない?僕、ここではなすの嫌だよ。蚊だって多いしさ」


僕が歩きだしたのをみて、壱は男を担いでついてきた。


「暗殺所に行こう。今の時間帯は誰もいないし、男を始末しやすい」


壱の言葉が終わると同時に、僕は屋根に上った。


「それって、どこにあるの?」


壱も軽くジャンプして音もなく屋根にのぼった。


さすが、暗殺者だね……。


「ついてこい」


壱が屋根と屋根を飛び回り走った。


……早くないっすか!?


僕は、壱にだけは弱音は吐きたくないから必死になって追いかけた。


「ここだ」


壱がスタンッと地面におりて、ガラガラッと戸を開けたそこは、裏路地にある、かなり怪しい雰囲気のある、まさに暗殺者がたくさんいる感じのところだった。


「うっわぁ。僕こーゆーとこ、はじめてくるんだけど」


僕は笑いながら家の中に入った。


蚊取り線香の香りがした。


壱がドサッと男を床に放り投げ、座布団にドサッと座った。


「……お客に席を進めないわけ?」


僕はそのへんにあった座布団を掴みとり、壱の前に座った。


「お前なら勝手に座ると思った」


なんかムカつく言い方だけど、実際勝手に座っている。


「で?話って?」


僕がそう切り出したのと、階段から女の人がおりてくるのが同時だった。


「こんばんわぁ~。あらぁ、坊ちゃん、いい顔してるじゃないかい。壱、これは誰だい?」


僕が突然でてきた女の人に驚いていると、壱が女の人を睨んだ。


「莢、どこから入った」


莢と呼ばれた女の人は、あっらぁー、と言いながら、壱の隣に座った。


「あたいにできないことなんてないんだよ。で?この子誰だい?あたいの好みの顔だよ~」


ソッと頬にさわられながらも僕は笑顔で答える。


「僕はウィン=フウともうします。よろしくお願いします」


莢は少し驚いた顔をしながら僕をなめるように見た。


「へぇー。あんたがフウちゃんかい」


……何でコイツ、僕のこと知ってるんだ?


僕の気持ちを察したのか、壱が頬杖をつきながら言った。