太陽の竜と闇の青年

「狂った世界の夕暮れに、狐は誰を想う。誘われた君は誰を想う。聞こえくるのはこの世の境の神楽詩。歪みに歪んだこの心を愛してくれるのかい。歪み歪んだその絆は消えていくことしかできない」


その言葉が終わると同時に、パッと辺りが薄暗くなった。


「……何だ……?」


祠をみると、先ほど置いたお供え物がなくなっていた。


「もしかしたら、今の声が九尾のものなのかもしれないね……」


私はゆっくりと上を向いた。


私よりも壱は頭一つ半ぐらい違うから、見上げないと、壱の顔がよく見えない。


「とりあえず帰るか」


私の視線から逃げるように、壱はプイッと横に顔をずらした。