私はターバンをシュルシュルと取って、九尾の祠の前に正座した。
「九尾って甘いもの好きなのかな?」
顔だけを後ろに向かせ、壱に聞くと、壱は首をかしげただけだった。
でも……。
やっぱり、何かお供え物があったほうがいいよね。
私は、懐からあるものを取り出した。
「……それは?」
壱が私の隣に足を組んで座った。
「ん?あぁ。これ?私が作ったんだ~♪」
私が自慢するように言うと、壱はすごく驚いた顔をして言った。
「お前が?それを?」
私は深くうなずいて、祠の前にスッと置いた。
それから、手を合わせて目を閉じた。
数秒後、目を開けたとき祠の中にあった狐の置物がカタカタと動き出した。
「え!?何!?怖いんだけど!!」
顔を真っ青にしながら壱にしがみつくと、壱は私を庇うように前にでた。
その瞬間、薄暗かった森が明るくなった。
眩しすぎて目が開けれない。
「い、壱!!」
私が助けを求めるように壱の名前を呼ぶと、壱の少しゴツゴツした手が私の手をつかんだ。
その時、耳に微かな音だけど、声が聞こえた。
その声は、少年のような明るく若い声だった。

