太陽の竜と闇の青年

「……ここは?」


私がその神社をみていると、壱が目を細めて祠を見つめ、口を開けた。


「ここの主、九尾の祠だ」


九尾……。


「九尾って何?」


「和国の神様だ。昔、ここに現れた大蛇を倒したと言われる狐だ。だが、今は狐は悪者だからな。ここの神社に来るヤツは俺しかいない」


壱が前に進み、祠に触れた。


「それに最近ではこの祠を壊そうとするやつがいるんだ。だから俺はこの祠を守っている」


「壱は九尾に恩でもあるの?」


私が祠を見つめながら聞くと、壱が小さく笑った。


「あぁ。ある。玄武を見つけたのはここだ」


ちょうどこの辺り、と、壱は祠の中にある九尾の石像の尻尾のほうを指さした。


「へぇ……。なんだか、九尾は玄武の守り役みたいな感じだね」


ソッと九尾の頭を撫でてやった。


「俺がルウをここに連れてきたのは、玄武がここにいたことを知らせたかったのと、もう一つある」


真剣な表情になってはなしてきた壱の顔を不思議そうに見つめながら、次の言葉を待った。


「九尾は、生き返る」


……!?


「どゆこと!?」


パニックになりかけた頭の中を整理しながら壱に聞いた。


「九尾は四神たちと同じように蘇らせることができるんだ。方法はまだ知らないが……」


私は額に手をあてて考え込むようにして言った。


「つまり、和国には玄武と九尾、二人も蘇らせることができる者がいるってこと?」


壱は深くうなずいた。


それから、優しい口調になった。


「そのことをルウに教えたかったんだ」