星の王子にお願いを☆

「し、心配してくれてたの?」


「……当たり前だ。人が泣くところなど、あまり見ない」


そう言って視線をずらすアザール。




「ありがとう……」


自分を気にかけてくれるという事実がどうしようもなく嬉しかった。

「あ、あぁ」


ぶっきらぼうに言う彼の顔は、わずかに赤くなっていた。


「ちょっといいか」

アザールは私が持っている双眼鏡から紙をはがした。

直後、紙に書かれていた記号が溶けるように消えた。


「これが魔術だ」

「これが……」


すごい。



もはやこれ以外の言葉では表現できなかった。