星の王子にお願いを☆

「さて」



アザールは私の顔から手を離し、何かを取りだした。



「これを」


それだけ言うと、私に双眼鏡を渡した。


(これで、外を見ろっていうの?)


私は思ったまま、目に双眼鏡をあて、窓から外を眺めようとした。



が、視界は黒く、何も映らない。


ピントを合わせようと、目を離す。


しかし、ピントを合わせるためのところが見当たらなかった。


(あれ……?)