僕は、言うまでもなく神納さんが好きだ。
……いや、好きなのかな?この感情はいまいち分からない。彼女を見ていると、胸が苦しくなったり、反対に安らかになったり……。とにかく情緒不安定みたいになる。
でも、いつからそうなったのかは分からない。気がついたら目で追ってたから。
でも、一番最初に出会ったのは、
――入学式だ。
神納さんは、入学時から既に可愛いと噂されていた。
無理もない、確かに彼女は可愛いかった。何が可愛いって、そりゃ………ごめん、恥ずかしくて言えない。
僕と同中の奴等も神納さんのことを見ていたから、多分世間一般の『可愛い』なんだと思う。
しかし僕は、その時はまだ、彼女のことをそこまで可愛いとは思っていなかった。
―――けれど。
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