今日は良いことが沢山あった。
乙葉世くんがいつも使ってるシャーペンを手に入れたし、寝顔を写真を屋上から撮れたし、体育で汗を掻いて頑張っている乙葉世くんも見れた。
うん、最高の日。
これだけでも、天に舞い上がるくらい嬉しかったのに、今日は更に良いことがあった。
放課後の図書室で、乙葉世くんが受付をしていたのだ。
「―――っ、」
……乙葉世くんだ―!
図書室は元々好きでよく来ていたが、乙葉世くんが図書委員になってからはほぼ毎日来ている。
が、実際の当番は分からないので、会わない日が多かった。
………だが、今日は会えたのだ。
(……乙葉世くん、かっこいいなぁ。)
机に座って本を読む振りをしながら、チラチラと乙葉世くんを見る。
やっぱりかっこいい。
(はぁ……なんであんなかっこいいんだろう……。)
――私、乙葉世くんが大好きなんだよ―――。
切っ掛けは、高校の入学式。
その時からすでに、彼―乙葉世くん―は、かっこいいと評判だった。
「あの人、かっこいいよね!?」
「うんうん、王子さまって感じー!」
(………王子様、か。)
その時私は、別にそこまで興味なかった。
だけど、――――
.